アトピー性皮膚炎とは・・・

アトピー性皮膚炎は増悪、寛解を繰り返すかゆみのある湿疹を主病変とする疾患で、アトピー性皮膚炎の患者の多くはアトピー素因をもつとされています。
乳児期では10~13%、学童期では約10%、20歳代では9%、30歳台では8%、40歳代では4%、50歳代+60歳代では2%という統計があります。

アトピー性皮膚炎の原因の原因…なぜアトピー性皮膚炎になるのか?

この数十年来、アトピー性皮膚炎の患者数が増加した原因としては大気汚染や家屋の密閉による室内アレルゲンの増加(特にダニ)や食生活の変化によるたんぱく質摂取量の増加などが挙げられています。

乳児について

食物アレルギーが原因であることが多いです。

学童期以降について

ハウスダストあるいは花粉などのアレルギーを合併していることが多いです。

また、皮膚のバリア機能が低下しており、セラミドの不足、水分保持量の低下、痒み刺激に対する閾値の低下(痒みを感じやすい)などが認められます。

アトピー性皮膚炎の症状

皮疹は湿疹病変であり、慢性、反復性の経過をとり、左右対称性です。

乳児の一般的な症状

頭、顔に始まり、しばしば体幹、四肢に下降

幼少児期の一般的な症状

頚部、四肢の屈曲部の病変が主体

思春期、成人の一般的な症状

上半身に皮疹の強い傾向

アトピー性皮膚炎は慢性、反復性経過を取るため乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上を目安としています。

アトピー性皮膚炎の診断

典型的な皮疹、慢性的な経過を認め、家族歴や既往歴でもアレルギー疾患があることが多く、血液検査でもIgE抗体の高値を認めるなどの条件がそろえば診断されます。

アトピー性皮膚炎の治療…アトピー性皮膚炎と診断されたら

アトピー性皮膚炎の治療は

スキンケア、保湿、薬物治療が主体となります。

皮膚を清潔にし、乾燥を防ぐため保湿剤を塗布し、紫外線や虫刺されなどを防ぐようにします。炎症の程度に応じたステロイドや免疫抑制剤などの外用剤で病変全体をしっかり被覆できるよう治療します。

できるだけ掻かないように、心がけましょう

赤みが取れても、皮膚が柔らかくなるまで塗布を継続し、よくなってからステロイド軟膏を塗る回数を減らすようにします。場合によっては内服の抗アレルギー剤を併用します。
無意識に掻くことによって、皮疹は増悪しますので、爪を短く切ったり、冷やしたりしてできるだけ掻かないように、心がけましょう。

小さいお子さんの場合

スキンケアだけでよくならない場合や、即時型反応がある場合は食物制限を行う場合もあります。
多くの場合成長と共に食べられるようになってきますが、多くの食物に対して反応が出る場合は食事前に抗アレルギー剤の内服を行うこともあります。